妊娠中の歯肉出血が死産に関連

胎児死亡と母親の妊娠性歯周炎との関連性を示す初めての記録が報告された。患者は35歳の女性で、米カリフォルニア州サンタモニカで満期の死産児を分娩。妊娠中に、妊娠性歯肉炎の症状である重度の歯肉出血を経験した。研究結果は、医学誌「Obstetrics & Gynecology(産科・婦人科学)」2月号に掲載された。
報告者の米ケース・ウェスタン・リザーブ大学(クリーブランド)歯学部歯周病学のYiping Han氏らは、妊娠中のホルモン変化によって歯肉出血が生じることは多く、妊娠女性のおよそ75%にみられるが、歯肉出血によって口腔内の細菌が血流に入り、免疫系によって阻止されない限り胎児に感染する可能性があると説明している。
今回のケースでは、剖検の結果、口腔内の細菌が血流に入り、胎盤に移動し、胎児に感染して死亡させたことが示唆された。この女性患者は、歯周病の治療を受けた後、再度妊娠し、健康児を出産した。
Han氏は「子どもを1人生むたびに歯を1本失い、これは妊娠中の基礎的な変化によるという迷信があるが、背景に別の基礎疾患があれば乳児の生命が危険に曝される可能性がある」と述べ、できれば歯科医を受診し、口腔内の問題を解決してから妊娠するよう勧めている。また、妊娠中に歯肉出血を認めた場合は、医師に注意喚起を求めるべきであるという。(HealthDay News 1月22日)
 

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