歯周病 早産のリスクに 道医療大・古市教授ら研究 炎症性物質が引き金に*妊娠前からのケア必要

口の中だけの病気と思われがちな歯周病が、早産や赤ちゃんの低体重に影響しているとする研究が国内外で進んでいる。早産予防のために妊婦の歯科検診に取り組む自治体も出てきた。重い歯周病の場合、妊娠中だと治療が難しい場合もあるため、関係者は「妊娠前からのケアが大切」と呼び掛けている。(北海道新聞古川有子)

歯周病と早産の関係を指摘する研究は、1996年ごろからおもに米国や南米で報告されるようになった。国内でも、道医療大歯学部の古市保志・教授らのグループが114人の妊婦を対象に疫学調査を行い、2003年に結果を発表した。

古市教授らの調査では、歯周病など歯茎の状態が悪い妊婦28人と、そうではない妊婦86人の出産状況を比較。歯茎の状態が悪くなかった人のうち、早産だったのは9%の8人だったが、悪い人で早産だったのは13人と46%にのぼった。

なぜ歯周病が早産に関係あるのか。古市教授は「歯周病菌に感染すると、炎症性サイトカインが過剰に出されること」が原因とみる。炎症性サイトカインは炎症を促進する細胞間伝達物質で、炎症部分から血管にも入り込む。妊娠中に炎症性サイトカインの血中濃度が高くなると、それが「出産開始の合図」にもなり、陣痛や子宮筋の収縮などが起こるとみられる。

古市教授らは05年から今年4月まで、札医大病院に入院中の妊婦に歯みがき指導などを行った。これまでに約50人のデータを収集し、早産や低体重出生との関連について分析する予定だ。

02年の新生児死亡率、乳幼児死亡率が全国で最も高かった熊本県は07年度、全国でも珍しい早産予防事業を実施した。その1つが歯周病を早期に発見するための歯科検診。天草地区の妊婦720人に受けてもらい、歯石の除去や歯みがき指導などを行った。

早産の原因となる子宮内の感染症「絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)」の早期発見なども併せて行った結果、出生した720人のうち、1,500グラム未満の「極低出生体重児」は、過去5年間の平均より7割少ない2人だった。「一定の成果がでた。さらに対象人数を増やして取り組みを続けたい」(同県健康づくり推進課)

妊娠中はつわりで歯みがきができなかったり、唾液が減るなどして歯周病症状が出やすいと言われる。しかし、妊娠中は薬の服用やX線撮影を伴う重い歯周病だと、治療が難しい場合もある。

札幌市立大学看護学部の村松真澄・講師は「歯周病は、糖尿病との関連が指摘されるなど、全身にかかわる病気ということがわかってきている。妊娠前から検診や正しい歯みがきで口の中の環境を整えてほしい」と話す。

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