介護予防や要介護高齢者の在宅生活において、口腔ケア、栄養ケアが重要であることはよく知られているが、歯科や栄養士との接点の少ないケアマネジャーは、実際のケアの内容について不勉強なことが多い。一方で、歯科衛生師にとっても自分たちが行っている口腔ケアが、高齢者の生活のなかでどう役に立っているのか、全体像の把握が難しいことがある。

(株)ヘルスプランニングでは、ケアマネジャーや歯科衛生師を対象に、高齢者の口腔ケアと居宅での介護技術、栄養ケアを一つの連続したケアとして捕らえ、それぞれの分野の専門家を招いて連続セミナーを開催している。

講師は、医学博士で元湘南短期大学教授の西口栄子氏と看護師で湘南短期大学看護学科準教授の佐藤光栄氏、フリーランスの歯科衛生師の山田あつみ氏。
10月15日に開催された第1回セミナーでは、最初に「口から始まる健康と営み」として、西口氏が講義を行った。

一般に、歯は食べ物を噛むことに必要として認識されているが、「口から食べる」ことは、摂食・摂水機能だけでなくコミュニケーション、感覚(口腔感覚)、感情の表出にも重要な役割を果たしていると述べた。また「噛む」刺激が歯から脳へ伝達され、脳が活性化することも、さまざまな実験から証明されているという。

口を動かすことで周辺の筋肉を動かしたり、食べることを助ける唾液を出すことにも役立っており、唾液には洗浄・抗菌作用があるだけでなく免疫物質や若さを保つホルモン(パロチン)も含まれているという。

さらに虫歯によって歯を失うことが咀嚼力の低下や低栄養につながり、高齢者のQOLを低下させることや、歯周病などによる口腔内細菌は、治療せず放置したままにしておくと、やがて骨粗しょう症や脳血管疾患、呼吸器疾患など全身へ悪影響を及ぼすことも説明された。

この講義からは、虫歯や歯周病が与える影響や、口腔ケアがQOLの向上や、健康維持や介護予防に役立つことが示された。

(介護支援専門員サイト  ケアマネジメントオンラインより)