筋肥大について トレーニング編 その2
筋肥大に最適なセット数は?週40セット説を検証する
はじめに
今回は筋肥大を最大化するための最適なトレーニングボリュームは、長年にわたり議論されてきた事に考察も交えて語っていきます。
最近では「週40セットが筋肥大に最適」という説が注目を集めていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?本記事では最新の研究をもとに、この説の信憑性を検証していきます。
週40セット説の根拠
近年、Brad Schoenfeld(ブラッド・シェーンフェルド)らによる研究が発表され、「高ボリュームのトレーニングが筋肥大を促進する」との結果が示されました。この研究では、被験者を3つのグループに分け、それぞれ週あたりのトレーニングセット数を以下のように設定しました。
- 低ボリューム群:週あたり9セット
- 中ボリューム群:週あたり21セット
- 高ボリューム群:週あたり45セット
その結果、高ボリューム群が最も筋肥大が進んだことが報告されました。これが「週40セット説」の根拠となっています。
週40セットは本当に最適なのか?
この結果を受けて、多くのトレーニーが「より多くのセットをこなせば筋肥大が進む」と考えました。しかし、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。
1. 個人の回復能力による違い
トレーニングボリュームが増えると、当然ながら筋肉への負担も増加します。初心者や中級者がいきなり週40セットをこなすと、回復が追いつかずオーバートレーニングに陥る可能性があります。
2. セット数が多すぎるとパフォーマンスが低下する
Schoenfeldの研究でも、セット数が増えるにつれて1セットあたりの筋力発揮が低下することが示唆されています。つまり、40セットをこなす頃には疲労が蓄積し、1セットごとの効果が低下する可能性があるのです。
3. 他の研究との比較
別の研究では「週10〜20セットが筋肥大に最適である」との結果が出ています。例えば、Haunらの研究(2018年)では、高ボリューム(週30セット以上)を行ったグループが一時的に筋肥大したものの、その後筋量の減少や回復不全が見られました。
実際にどの程度のセット数が理想なのか?
最新のメタ分析によると、週10〜20セットが筋肥大に最も効果的であるという結論が多くの研究で支持されています。一般的に、初心者から中級者は週10〜15セット、上級者は週15〜25セットが適正範囲と考えられています。
個人的にはトレーニングを生業としていない限りが最大でも週に20セット前後が現実的なのではないかと思います。
週40セットが有効なケース
- しっかりとした回復戦略を持っている(栄養・睡眠・ストレス管理が適切)
- 高いトレーニング経験があり、ボリュームに適応している
- 部分的に週40セットを導入(例:遅れている部位の強化)
まとめ
「週40セット説」は一部の研究で支持されているものの、万人に適用できるわけではなく、適切な回復戦略がないと逆効果になる可能性があることが分かりました。
✅ 推奨セット数の目安
- 初心者〜中級者:週10〜15セット
- 上級者:週15〜25セット
- 高ボリュームトレーニングを行う場合:十分な回復戦略を取ることが必須
最も重要なのは、自分の体の反応を観察しながら適切なセット数を見極めることです。過剰なボリュームにこだわらず、効率的なトレーニングを心がけましょう!