筋肥大について トレーニング編 その1
筋肥大【トレーニング編】「重量 × 回数 × セット数(総負荷量)は筋肥大に最適か?」
はじめに
最新の知見では筋肥大を目指すトレーニングにおいて、「重量 × 回数 × セット数(総負荷量)」が最も重要な指標とされてきています。
総負荷量を増やすことで筋肉により強い刺激を与え、成長を促進できるという考え方ですが、本当に筋肥大に最適な方法なのでしょうか?本記事では総負荷量理論について深掘りし、実際のトレーニングにどのように適用すべきかを考察します。
総負荷量理論とは?
総負荷量(Total Volume Load, TVL)は、以下の計算式で表されます。
総負荷量=重量(Kg)×回数(1セットあたりの)×セット数
例えば、スクワットで100kgを10回、3セット行った場合の総負荷量は以下の通りです。
100kg×10回×3セット=3000kg
この数値が大きくなるほど筋肥大に有利と考えられています。しかし、重量・回数・セット数をどのように調整するのが最適なのかについては議論が続いています。
総負荷量の増加が筋肥大に与える影響
1. 重量を増やす場合
重量を増やすことで総負荷量を上げる方法は、筋力向上と筋肥大の両方に効果的です。しかし、高重量になるほど回数をこなすことが難しくなり、最適な筋肥大範囲(6〜12回)を超えてしまう可能性があります。また、関節や腱への負担も増すため、怪我のリスクが高まる点には注意が必要です。
2. 回数を増やす場合
低重量で回数を増やすことで総負荷量を増やす方法は、筋持久力の向上には適していますが、筋肥大にはやや不向きとされています。研究によると、筋肥大に最も効果的な回数は6〜12回程度であり、それ以上になると筋持久力向上にシフトしやすくなります。
3. セット数を増やす場合
セット数を増やすことは筋肥大にとって有効ですが、一定の閾値を超えると効果が頭打ちになることが研究で示されています。例えば、週10〜20セット程度が筋肥大に最適とされ、それ以上増やしても回復が追いつかず、オーバートレーニングのリスクが高まる可能性があります。
どのバランスが最適なのか?
研究結果を総合すると、筋肥大に最適な総負荷量の設定は以下のようになります。
- 重量: 65〜85% 1RM(最大挙上重量)
- 回数: 6〜12回
- セット数: 3〜5セット
- インターバル: 30秒〜90秒
この範囲で総負荷量を増やしていくことが、筋肥大を最大化するのに有効と考えられます。
実際のトレーニングへの応用
総負荷量を意識したトレーニングプランの例を紹介します。
例1: 高重量・低回数戦略(筋力+筋肥大)
- ベンチプレス:80% 1RM × 6回 × 4セット
- デッドリフト:85% 1RM × 5回 × 4セット
- スクワット:80% 1RM × 6回 × 4セット
例2: 中重量・中回数戦略(筋肥大重視)
- ベンチプレス:70% 1RM × 10回 × 3セット
- デッドリフト:75% 1RM × 8回 × 3セット
- スクワット:70% 1RM × 10回 × 3セット
例3: 低重量・高回数戦略(筋持久力寄り)
- ベンチプレス:60% 1RM × 15回 × 3セット
- デッドリフト:65% 1RM × 12回 × 3セット
- スクワット:60% 1RM × 15回 × 3セット
まとめ
「重量 × 回数 × セット数(総負荷量)」は筋肥大の指標として有効ですが、ただ総負荷量を増やすだけでは最適な結果は得られません。 重要なのは、適切な重量・回数・セット数のバランスを取ることです。
✅ 筋肥大に最適な総負荷量の考え方
- 重量: 65〜85% 1RM
- 回数: 6〜12回
- セット数: 3〜5セット
- オーバートレーニングを防ぎつつ、適切な回復を確保する
総負荷量理論をうまく活用し、効果的なトレーニングを実践していきましょう!