歯周病菌が肺炎も引き起こす?!
肺炎は、空気中の細菌が気道を通って肺に入り炎症をおこす病気ですが、最近よく耳にするのが「誤嚥性肺炎」。これは、本来、食道を通り胃に送られてくる食物や唾液が、誤って気管から肺へ送られ、それらに付いてきた鼻や喉、口の細菌によって引き起こされる病気です。
誤嚥(ごえん)がもとで肺炎になる「誤嚥性肺炎」は、特に高齢者方が罹患する割合が高くなっています。そして、歯周病や虫歯も「誤嚥性肺炎」の原因になるというのです!
それは一体何故でしょう?
人間は、脳から送られる信号によって、食べ物や唾液は食道に、空気は気管に入るように、その都度、気管や食道の入り口が開いたり塞がったりするようにできています。
しかし、高齢になり、脳から送られてくる信号への反応が低下すると、誤って食べ物や唾液が気管のほうへ送られてしまうことがあります。
さらに、高齢者は飲み込む力や抵抗力も弱いので、誤嚥性肺炎になりやすいのです。そして、お口に歯周病や虫歯があれば、誤嚥により運ばれる細菌の中には周病菌や虫歯菌も当然入っています。
唾液や食べ物と一緒に気管を通り肺まで到達したそれらの細菌は肺に炎症を起こし、誤嚥性肺炎のリスクを高めていたのです!
このように、お口の病気が、高齢者の罹りやすい全身性の病気「誤嚥性肺炎」の一因になっていたのです。
そこで、お年寄りのいるご家庭では、以下のような事に気をつけてあげると良いです。
■歯周病や虫歯はきちんと治療しましょう
歯みがきや入れ歯のお手入れをこまめにして、口の中の細菌を減らします。抗菌性洗口剤でうがいをするのも効果的です。