早産や低出生体重児は7倍以上?!

歯周病が、糖尿病や肺炎、心筋梗塞など全身の健康に影響があることはこれまでもお話ししてきましたが、今回のテーマは「歯周病と出産」です。

妊婦さん

お口の病気が妊娠に影響すると言われてもピンとこないかもしれませんが、実は妊婦さんにとって歯周病は特に気をつけて頂きたい病気のひとつなのです。

 

歯周病が進行している母親は健康な歯肉の母親に比べて、約7倍以上の確率で早産(妊娠22週から36週の間に赤ちゃんを産むこと)や、低出生体重児(出生時の体重が2500g未満の乳児)を出産するといわれています。では、その理由は一体なんなのでしょう?

 

陣痛は、子宮収縮作用のある「プロスタグランディン」という物質の分泌が高まって起きるのですが、歯周病にかかると、歯周病菌による炎症で生理活性物「サイトカイン」が増加し、その「サイトカイン」の影響で「プロスタグランディン」が増加して子宮の収縮が始まり、早産になると言われています。

 

低出生体重児は感染に対する抵抗力が弱く病気にかかりやすかったり、乳を吸う力が弱いので十分な栄養を摂ることが難しいなどのリスクがあります。

 

妊娠中はホルモンの影響やツワリにより歯磨きがふだんよりゆき届かずに歯周病になりがちですが、健康な赤ちゃんを産むためにも、ブラッシングを丁寧にする、カルシウムたっぷりの食事をするなど、歯の健康に日頃から気をつけることが大切です。

 

また、妊娠初期では可能な治療や使えるお薬にも限りがありますので、妊娠前からお口の健康に気を配って定期的な歯科検診を受けておくと安心です。

 

そして、喫煙や飲酒も早産や低出生体重児出産のリスクを高める要因です。妊娠したら、タバコ、飲酒、お口のケア、この3点に気をつけて下さい。

前の投稿

歯周病菌が肺炎も引き起こす?!

歯周病菌が肺炎も引き起こす?!
歯周病が全身をむしばむ!?
次の投稿

歯周病が全身をむしばむ!?