歯ぐきが下がると、虫歯に?! 厄介な根面虫歯とは
歯ぐきの下がる原因の一つが歯周病です。歯周病が進行すると、歯周病菌が出す毒素により歯を支える歯槽骨が溶けて下がり、その上に乗っている歯ぐきも一緒に下がります
歯ぐきが下がると見栄えが著しく低下しますが、そのほかにも歯ぐきが下がることで生じるデメリットはたくさん!
今月はその中でも怖い根面虫歯についてお話ししましょう。
プラークに住む虫歯菌が酸を出して、体の中の一番硬い組織であるエナメル質を溶かして穴を開け、次第に内部の象牙質を浸食していくのが普通の虫歯です。
ところが根面虫歯では、歯茎が下がることで露出した歯の根の部分がが虫歯になります。
歯の根の部分は象牙質やセメント質で出来ておりはエナメル質よりも柔らかいので、お口を不衛生にしておくと、あっという間に進行してしまいます!
【まだまだあります!根面齲蝕が厄介なワケ】
◆根面虫歯は歯根の周りを帯状に拡がる傾向があるので、エナメル質の歯冠部が健康でも根の周りをぐるりと削って治療するなんてことにもなりがち。最悪の場合、健康な歯冠部を保存できないことも。
◆歯の根本のほうが歯冠部よりも神経との距離が近いために、神経へのダメージも早く訪れる可能性が大です。
◆高齢の歯周病患者は要注意!歯周病が進行して根が露出している上に、加齢に伴い唾液の分泌量が減った高齢者のお口の中は虫歯への抵抗力も低下しています。
何本も一緒に根面虫歯が見つかる例も多いのです。
歯周病には日頃のケアと定期的な歯科医院でのチェックが重要です。デンタルフロスや歯間ブラシなどの物理的な清掃法に加えて当院では根面虫歯予防専用の歯磨き粉の使用が重要と考えています。
当院でこのような症例の方には「ルートケア」という歯磨き粉をおススメしています。この歯磨き粉にはフッ素が含まれており露出した根面の歯質強化と知覚過敏の抑制効果があります。
また唾液分泌を促すために、繊維質の物をよく噛んで食べることも大切です。