県北西部の山里、諸塚村は歯周病健診受診率が47・4%と高い。これに対し、宮崎市5・8%など、どの自治体も低い。その背景を見つめると、歯科はむし歯対策の学校検診まであるが、職場や地域の健康診断では項目に入っていない。社会人になったら“自己責任”で放置されているわけだ。諸塚村の場合、「18歳以上全員に歯科検診を受けるよう、呼びかけている」(同村住民福祉課・中田るみ子保健師)のが、好成績につながっている。

今回の市民公開講座で講師・パネリストを務める山下喜久・九州大学教授(予防歯科)(51)は「特定健診のような手段で、自覚症状のない歯周病を、早期発見・早期治療することが必要」と指摘する。特に高齢化が進み、特定健診開始の対象となったメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が増えている折、重要さに言及する。

高齢者が増え、80歳で自分の歯20本以上を持っている(8020)人の割合が増えているが、その分、歯周病も増加している。「老後のQOL(生活の質)を考えると、簡単に『歯が抜けたら、入れ歯を入れたらいい』とは言えない。自分の歯でしっかり食べる、歯を残すことが大事」。これからは、高齢者の歯周病にどう、対処していくかが、歯科医に求められていると言う。

メタボ対策も待ったなしだ。山下教授は「メタボと歯周炎は緊密な関係にある。肥満になれば、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が深い人が多い。4ミリ以上は歯周炎だ」として、メタボの人は歯周病をチェックしてほしい、と訴える。だが、メタボ対策で始まったはずの特定健診では「歯周病への対策はなされていない」と、不備を突く。

歯周病と上手(うま)く付き合うには、「自らの健康は自らが守る」という姿勢が欠かせない。今年1月、九州大学病院(福岡市)の先進予防医療センターに「歯科人間ドック」が開設された。歯周病、むし歯検査など一般コース6項目に、顎(がく)関節、口臭、咬合(こうごう)力、歯並びチェックなど自由選択9項目が並ぶ。1次予防としての生活習慣の改善に続き、2次予防としての検診を充実させた。利用状況を尋ねると、まずまずと言ったところだが、「利用する人に限って、問題なし」と苦笑が返ってきた。

寝たきりにならない、健康寿命の延長には、歯の健康、生活習慣を見直すことが大切だ。歯周病予防・治療で重視されるのが、プラーク(歯垢(しこう))コントロール。山下教授は「歯医者さんで、丁寧なお口の清掃の仕方を教えてもらい、自分でできない清掃はプロ(歯科医、歯科衛生士)にお任せする」ことを勧める。

歯科医療に詳しく、今回の市民公開講座に講師・パネリストとして参加する読売新聞東京本社医療情報部の渡辺勝敏次長(47)は「治療を受ける場合、セカンドオピニオン(主治医以外の第2の意見)を聞くことも、状態への理解が深まり、納得の治療を受ける役に立ちます」とアドバイスする
(読売新聞より)

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